ポリシー

いつも、ライブにカメラを持って現れて

写真を撮って、みんなに喜ばれている方のお姿があった。

私も、喜ばせていただいている人のひとりとして

この日の撮影出動拠点としておられたカウンターから引きはがして

お話をせがんだ。

「光の具合といい、トリミングといい、瞬間といい、

ほんとうに、プロフェッショナルなお仕事ですよね

プロではないのですか?」

「好きなだけですよ。僕は独学、我流だから、プロとはちがいますよ」

「みんな、Aさんに撮ってもらっている写真をすごく気に入って

SNSでうれしそうなコメントをして、自分のプロフィール写真に使っていますよね。

私も、自分じゃないみたいな写真撮ってもらってますし、本当にありがたい。

シャッターチャンスとか、難しいんじゃないですか?」

「まあ、よくライブに行くので、次のこういうところで

こんな表情するんじゃないかな、とか、なんとなくわかるので

そこ、狙ってます」

「それって、プロの写真家が、舞台とか脚本とか見てやってるって

説明してるの、そのまんまです。・・・そんなのしなくても

ポイントがわかるって、Aさん、ミュージシャンで?」

「いやいや、ぼくの学生時代は、みんなギターをかき鳴らしてうたうのが

流行っていた時代だからね。」

などなど、延々と、続く私の質問に

途中で撮影しながら、撮影したものを見せてくださりながら

快くお話してくださいました・・・私にはほんのわずかにしか見えない光量の差による

「撮影しやすいゾーンと撮影しにくいゾーン」が

この方には

クッキリと線を引いたようにみえるということが分かったとたん、

背筋が凍るような何かを感じましたわ。

「僕のカメラを持ったときの信条ですか?

その人自身が見ることができない、一番かっこいい瞬間を切り取って

そのひとに見せてあげたい。それだけです(笑)」

・・・きゃ~(叫)。